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指数関数の性質の考察

指数関数は応用上実数だけではなく、複素数や行列にまで拡張されます。その際多くはテイラー展開を利用することが多いと思うのですが、もっと単純な指数関数である条件だけでうまく指数関数の性質を表すことができないか?一体何が本質的なのだろうか?ということを最近考えています。
さて
\exp(x+y)=\exp(x)\exp(y)
という性質を認めるだけで他の指数関数の性質が多く導けるという発見がありました。というのもどうやら指数関数は準同型写像になっているようなのです。
準同型写像というのは

<準同型写像の定義>
G_1G_2を群(それぞれ演算\circ,\cdotが定義されている),\phi:G_1\rightarrow G_2写像とするとき
\phi(x\circ y)=\phi(x)\cdot\phi(y)
がすべてのx,y\in G_1に対して成り立つとき\phi準同型写像

というものです。指数関数において\phi(x)=\exp(x)とおき定義に出てきた\circを+,\cdotを通常の積と見れば確かに指数関数は実数の加法の作る群から正の実数の積が作る群への準同型写像となっています。準同型写像でなにがうれしいかというと以下の性質があるからです。

1.単位元が単位元に移る
G_1,G_2の単位元をそれぞれe_1,e_2とします。このとき
\phi(e_1)=\phi(e_1 \circ e_1)=\phi(e_1)\cdot\phi(1e_1)
\Leftrightarrow\phi(e_1)=\phi(e_1)\cdot\phi(e_1)
ここで両辺から\phi^{-1}(e_1)をかけると
e_2=\phi(e_1)
となりG_1の単位元e_1準同型写像によってG_2の単位元e_2に移ることが分かりました。
これは指数関数の場合は実数の加法に関する単位元(つまり0)が情報に関する単位元(1)に移ることを表しています。つまり
\exp(0)=1
ということです。これは純粋に準同型写像に関する定理から導かれたことですのでとくに難しい計算をしなくてもそのまま行列に関しても成り立ち
\exp(O_n)=I_n
ということができます。

1.逆元が逆元に移る
e_2=\phi(x \circ x^{-1})=\phi(x)\cdot\phi(x^{-1})
\Leftrightarrow e_2=\phi(x)\cdot\phi(x^{-1})
ここで両辺に左から\phi^{-1}(x)をかければ
\Leftrightarrow \phi^{-1}(x)=\phi(x^{-1})
となります。
これは
\exp(-x)=\exp^{-1}(x)
さらに実数に関して言えば
\exp(-x)=\exp^{-1}(x)=\frac{1}{\exp(x)}
というふうに逆数になるということを表しています。

さらにこれは準同型写像の性質ではないですが、和が積に変換されるので
\exp(nx)=\prod^{n}\exp(x)=\exp^{n}(x)
という公式を導けます。

とりあえずここまでで数2の教科書に載っている指数関数の公式はすべて導けました。ただこれだけだと具体的な計算は一切できていないのでさらに条件を絞る必要があります。ここは後々便利なように単位元を使って以下のように定義すれば微分もできテイラー展開もできるはずなので便利でしょう。
\exp(1)=\lim_{h \to e_1 } (\exp(h)-e_2)h^{-1}
これでテイラー展開で数値的に解けるようになりました。(実際はこのような値が存在するのかを示す必要がありますがここでは行いません。)

なんか最後がぐだぐだですね。やっぱりテイラー展開を定義とするのがいちばんなのかなぁ...