読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

単純なモデルでは地球の重力は地球の中心の一点に集中していることの証明(メモ)

地球科学 物理 メモ

高校物理で計算しているとき地球の重力は地球の中心の一点に集中していると考える。今回はこれを証明してみようと思う。(実は地球物理の授業ででてきて式を写しているだけでは頭に入らなかったのでまとめるという意味もかねている。
次のような問題設定をする。
問題)地球外に地球の中心から距離rだけ離れた位置に質量1の質点点Pが存在する。質点Pが地球から受ける重力(加速度)gを求めよ。ただし地球は質量Mで完全に球体であるとし、地球の密度は中心からの距離のみに依存する。重力定数はGとする。

まずは、問題設定からできるだけ問題をわかりやすくすることを考える。のちのちの回答をスマートにするためというのもあるので奇妙なことをしているように思うかもしれないが、あとでその意味がわかるだろう。
座標系として球座標の(r',φ',θ')という座標を取る。そして、任意の微小領域Qから重力を受けていることを考える。P-Qの長さをbととると
これをx-y平面で切り取った図はたとえば以下のようになる。
f:id:ikaro1192:20120519225102p:plain
そうすると角POQをθ,各OPQをαとおけば、三角形POQにおいて余弦定理を使うことにより、
\cos\alpha=\frac{b^2+r^2-{r'}^2}{2rb}
\cos\theta'=\frac{r^2+{r'}^2-b^2}{2rr'}
ここで2番目の式をbで微分しておこう。というのも後々使うのがcosではなくsinの方なのだ
-\sin\theta'\frac{d\theta'}{db} =\frac{-b}{rr'}
\sin\theta' d\theta' =\frac{b}{rr'}db
さらに図でQと対称な点Q'を取ればQとQ'からの重力のベクトル和は中心方向のみの成分のベクトルになることがわかるだろう。したがって、最終的に和をとったものは中心方向の重力をg_rとすると
g=g_r
となるはずだ。したがって以降ではg_rについて考えていく。
さて、図より微小重力は
dg=\cos\alpha dg_r
となる。微小質量dmから受ける微小重力は万有引力の法則でm=1とすることにより
dg_r=G \frac{dm}{b^2}
ここで上で求めた関係式より
dg=G \frac{\cos\alpha dm}{b^2}
となる。さらに個々に出てきているdmを密度と堆積の関係に直そう。
Q点での微小体積をdVとすれば
dm=\rho(r')dV
よって
dg=G \frac{\cos\alpha \rho(r')}{b^2}dV
という関係を得る

次に地球の全質量Mを密度によって表そう。
これは図のような球殻を考えれば球殻の微小な体積dVは外側の体積-内側の体積より
dV=\frac{4}{3}\pi(r'-dr)^3-\frac{4}{3}\pi{r'}^3
dV=\frac{4}{3}\pi({r'}^3+3{r'}^2dr+3{r'}{dr}^2+{dr}^3-{r'}^3)
2次以上のdr'は微小だとして無視すると
dV=\frac{4}{3}\pi(3{r'}^2dr)
dV=4\pi{r'}^2dr
が得られる。これの両辺に密度\rho(r')をかけて積分すれば
\int\rho(r')dV=\int_{}^{}4\pi\rho(r'){r'}^2dr
M=4\pi\int{r'}^2\rho(r')dr

これで準備が整った。あとは計算のみだ。先ほど求めた微小重力に関する式を体積で積分すればよい
\int_V dg_r=\int_V G \frac{\cos\alpha \rho(r')}{b^2}dV
[g_r=\int_V G \frac{\cos\alpha \rho(r')}{b^2} dxdydz]
ここで球座標のヤコビアン{r'}^2sin\theta'なので(ヤコビアンについてはこちら→http://hogespace.hatenablog.jp/entry/2012/01/17/223853 )
g_r=\int_V G \frac{\cos\alpha \rho(r')}{b^2} {r'}^2sin\theta' dr' d\varphi' d\theta'
ここにでてくるαやθを先ほどの関係式を代入することにより消去すると
g_r=\int_V G \frac{\rho(r')}{b^2}\frac{b^2+r^2-{r'}^2}{2rb} {r'}^2 \frac{b}{rr'}db dr' d\varphi'
g_r=\frac{G}{2r^2}\int_V \frac{r'\rho(r')(b^2+r^2-{r'}^2)}{b^2}db dr' d\varphi'
g_r=\frac{G}{2r^2}\int_V \frac{r'\rho(r')(b^2+r^2-{r'}^2)}{b^2}db dr' d\varphi'
g_r=\frac{G}{2r^2}\int_V \frac{r'\rho(r')(b^2+r^2-{r'}^2)}{b^2}db dr' d\varphi'
g_r=\frac{G}{2r^2}\int_{0}^{R}\int_{0}^{\pi}\int_{r-r'}^{r+r'} \frac{r'\rho(r')(b^2+r^2-{r'}^2)}{b^2}db dr' d\varphi'
ここでbの積分範囲はθの積分範囲を0~πとして変換をしたときにもとまる。φの項はないのでそのまま積分して
g_r=2\pi\frac{G}{2r^2}\int_{0}^{R\int_{r-r'}^{r+r'} \frac{r'\rho(r')(b^2+r^2-{r'}^2)}{b^2}db dr'

g_r=\frac{\pi G}{r^2}\int_{0}^{R}\int_{r-r'}^{r+r'} r'\rho(r')\{1+\frac{(r^2-{r'}^2)}{b^2}\}db dr'

g_r=\frac{\pi G}{r^2}\int_{0}^{R}\int_{r-r'}^{r+r'} r'\rho(r')\{1+\frac{(r^2-{r'}^2)}{b^2}\}db dr'
bに関しての積分は4r'(一見複雑そうだが実質的にはar^{-2}積分)とわかり、前の項はbに依存しないので
g_r=\frac{4\pi G}{r^2}\int_{0}^{R}{r'}^2\rho(r')dr'
ここで最初に求めたMの式と見比べれば
g=\frac{GM}{r^2}
g=\frac{GM}{r^2}
を得る。疲れた。ニュートンさんはこれを微積を使わず幾何学の問題としてといたらしいのだからすごい。なんか積分範囲間違っている気もする...間違いがあったら指摘お願いします。