(x-a)(x-b)の平方完成の公式

レポート書いていたら見つけたのでメモ。
(x-a)(x-b)の平方完成だが、これは
(x-a)(x-b) = (x-\frac{a+b}{2})^2 + (\frac{b-a}{2})^2
という風にできる。和と差で書けるということで割りと覚えやすいと思う。aとbが複雑な文字式で展開してそれを平方完成する必要に迫られた時とかに有効。普通の平方完成をする必要がある問題でも因数分解が簡単なら簡単にできるかもしれない。
 さて証明だ。
(x-a)(x-b)
 = (x-\frac{a+b}{2}+\frac{b-a}{2})(x-\frac{a+b}{2}-\frac{b-a}{2})
 = (x-\frac{a+b}{2})^2 + (\frac{b-a}{2})^2
となる。二番目の式でうまく\frac{a+b}{2}が出てくるように式変形してあげると (X+A)(X-A)の形が出てくるのであとは公式に従って展開すればいいだけだ。ここがちょっとトリッキーかもしれないが答えにたどり着くことを信じて希望的観測で式変形するのは常套手段だと思う。世の中は大体うまく行くようにできてる。

応用としてこれからx^2+bx+cの平方完成をしてみよう。これを=0とおいて二次方程式とみなした時の解をα,βとすれば
x^2+bx+c=(x-\alpha)(x-\beta)
ここで右辺に公式を適応して
 = (x-\frac{\alpha+\beta}{2})^2 + (\frac{\beta-\alpha}{2})^2
解と係数の関係より
\alpha+\beta = -b
また、判別式Dは
D=\sqrt{ b^2 -4c} =\beta-\alpha
なのでこれを代入して
 = (x+\frac{b}{2})^2 + (\frac{\sqrt{ b^2 -4c}}{2})^2
 = (x+\frac{b}{2})^2 + \frac{b^2 -4c}{4}
となる。とわりと簡単に導出できた。
なお、判別式の部分はD^2は対称式になることから解と係数の関係から求められるが、今回はやらない。