同じものでも分野が違えば価値も違う

今日オフ会で国立科学博物館に行ってきました。そこでヒザラガイがあってそれについて話したときのこと。
 ちなみにヒザラガイっていうのはこういうものです。
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 地球科学を若干かじっている僕にとっては「海のそれも潮間帯という狭い領域にいて、過去(オルドビス期)から現在まで棲息しているという示相化石(その地層が堆積した環境を示す化石)として重要なもの」という認識でした。つまり、ヒザラガイの化石が見つかればそこが潮間帯である(深海にすむ種もいるらしいのでその判別が必要でしょうが)ことがわかります。それだけではなくたとえば今の位置より上にあって水平堆積している場合は海面が低下した、あるいは隆起したなんていうことも分かったりします。さがしてみたら以下のような化石から古地震の後を復元するなんていう研究もありました。↓
http://danso.env.nagoya-u.ac.jp/jsafr/2009shukitaikai/abstracts/2009f_P10.pdf
 またそれなりの数が一箇所に集まっています。それは化石が見つかりやすいということであり非常に利用しやすいということでもあります。
 ところがそれが逆に生物的な観点(特に標本として)からはよく見かけるのであまり価値がないとのこと。たしかに行けばそれなりの数がごろごろと転がっていますからね。
 分野によって同じものを対象にしても価値が違うんだなとすごく新鮮でした。これ以外にもそういうものは多くあるかもしれません。