Σa[n]=1のときのΣa^2[n]の最小値についての考察
昔に思いついたことだが、どこにも書いていなかった気がするので書いておく。
ふつうはラグランジュの未定乗数法を用いてとけばできそうな気がするが、いまいちエレガントな気がしない。もっとスマートに解けないだろうか?そこで図形的にどういう意味を持つのかを考えてみる。一番わかりやすいn=2のときを考えてみる。
右の二乗の和の形の式はどこかで見たことがある。三平方の定理の式に非常に似ていることが分かる。実際
とでも置けばいかにも三平方の定理という感じだ。さては原点からの距離を表しているとも見ることができる。
次に左の式について考えてみる。これは一体どんな意味があるのだろうか?慣れていれば(0,1),(1,0)を通る直線ということがぱっと分かるのだが、分かりづらければ
という式に直してみればいい。単純な一次関数の式ではないか。それぞれの式の意味は見えてきた。だが、これからどうやって最小値を求めればいいのだろうか?
問題を今出てきた言葉で翻訳してみる。
・x+y=1という直線上に点A(x,y)がある。このときAと原点の距離を最小にする点Aの座標とその値の二乗。
二乗となっているのは距離はrだからだ。f(x)は今そのrの二乗になっている。
さて、点Aと直線の距離は「点Aと直線上のある点を結ぶ最小の長さ」と定義されている。これは言い直した問題そのままではないか。したがって問題はつぎのように単純化される。
・x+y=1と原点との距離に二乗の値を求めよ。
これは教科書から公式を引っ張ってきて直ちにという答えが求まる。そのとき
というのも分かるだろう。こんな感じでしていくとn=1〜3で最小値は
のとき
となっていることがわかる。これは全てのnについて成り立たないだろうか?4次元以上でも一応距離も定義できるので同じ方針でやっていってもいいのだが、もうちょっと頭を使ってみる。最初は帰納法でいけるかなと思って一週間程度悩んでいた記憶があるがむりそうだった。
そして最終的に以下の証明に辿り着いた。発想としては最小値をとる値から少しづられば当然それより大きくなるってのを定式化した。
proof)
となるを用いるとは
と表すことができる。これを
に代入すれば
ここで第二項目はの定義より0,また
なので結局
となり
のとき,つまりのとき最小値をとる。Q.E.D.
われながらになかなかスマートだと思う。ほかにも式の対称性からもっと違う証明がつかえないか考えている。